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2026年4月1日より プロカウンセラーとして活動を開始しました

「疲れる優しい人」に持ってもらいたい、自分を守るための見えない境界線

こんなことありませんか?

〇就職して一人暮らしを始めた娘が、よく家に帰ってきて泊まっていく。食事の世話や洗濯など、一緒に暮らしていた時と同様にしてあげているのだけれど、なぜか最近は疲れてしまう。娘が頻繁に帰ってくるという状況が続いている。

〇職場の飲み会。一次会が終わった後、上司や同僚は帰らずにいるので、みんなに合わせて、二次会に参加する。途中で帰りたいと思うが周りの雰囲気を見ると、自分だけ帰りますと言えなくて、楽しくない時間を過ごしてしまう。

周りの人から見ると、「優しく面倒見の良い親御さん」や、「付き合いの良い同僚」かもしれません。
本人が選んだ行動なんだけれども、疲れ切ってしまったり、心の中に葛藤を抱えている状況ってありますよね。

実はこれらの状況には「境界線」の問題が隠れている、かもしれません。
心理学で「境界線があいまい」であるときに、現れやすい出来事だといえるのです。

境界線(バウンダリー)とは


心理学では、自分と他者を区別し、自分を保つための感覚として、境界線という考え方があります。
私たちの心の中に存在する、非常に個人的な区切りのようなものです。
境界線は、自分の領域と相手の領域を分けるものともいえます。
自分の感情、時間、エネルギー、身体、考え方、責任・・・これらには境界線をつけることができます。
境界線がはっきりしないと、相手の感情を自分の責任のように感じてしまいます。

境界線があいまいなときに起こること

他人の頼みごとを断れず、本当は忙しいのに引き受けてしまい、自分の予定がどんどん後回しになります。
また、他人の感情と自分の感情の区別がつかなくなる状態にもなります。家族が不機嫌だと、自分まで落ち着かなくなる。職場で誰かがイライラしていると、まるで自分が怒られているような気分になる。
そして、自分の気持ちがだんだん分からなくなっていくことがあります。
「あなたはどうしたい?」と聞かれても、すぐに答えられない。いつも「相手はどう思うだろう?」「これをしたら嫌われないだろうか?」と考えてしまい、自分が本当は何をしたいのか、何を感じているのかが分からなくなっています。
自分の気持ちよりも、相手の期待に応えることが優先になってしまっているのです。
嫌だと思っても我慢してしまったり、相手の期待を優先してしまうことが続くと、自分の心だけがすり減っていく結果になってしまいます。
「優しい人ほど疲れる」状態には、境界線のあいまいさが隠れていることが多いのです。

境界線を「意識する」と、世界は変わる

では、冒頭の例に「境界線」という視点を取り入れてみましょう。

娘さんが頻繁に実家に帰ってくる場合
「娘が帰ってくるのは嬉しいけれど、毎回食事や洗濯の世話をするのは正直疲れる」と自分の本当の気持ちを認める。
娘さんには、帰ってくるのは嬉しいけれど、自分のことは自分でやってもらえないかと話し合ったり、家事のルールを決める。

職場の飲み会の場合
「みんなに合わせないといけない」ではなく、「私には私の時間の使い方がある」と考えます。疲れたとき、帰りたいと思ったときには、その気持ちを採用して大丈夫。自分の時間とエネルギーを大切にしていいのだと思える。

境界線を自覚するメリット

境界線を意識できるようになると、絡まっていた問題が整理され、決断しやすくなります。
本当に大切なことに時間を使えるようになります。断るべきことは断れるので、自分がやりたいこと、やるべきことに集中できます。
自分を大切に出来ている感覚、自己肯定感も高まるのではないかと思います。
自分の選択ができるようになるので、相手の選択も尊重することがしやすくなり、お互い尊重し合える関係に向かうことができます。
「私は何がしたいんだろう?」「何が嫌なんだろう?」——自分の本当の気持ちに気づけるようになります。

とはいえ、言うは易く行うは難し。 長年の癖をすぐに変えるのは難しいものです。
すぐに境界線を意識した選択ができるようになるわけではないと思います。
まず「自分が何を感じているか」に気づくことから始めましょう。
「何が心地よく、何が不快なのか」「どこまでなら許容でき、どこからは無理なのか」、自分自身の心の声に耳を傾けること。それが、境界線を明確にするための第一歩です。

実は、ふたつの例とも、私にとって、身に覚えのあることです。
1人暮らしをしているのに、実家に帰っては住んでいた時と同じように親に世話をしてもらっていた子どもでした。親離れ、子離れの問題でもあるから、やってもらうことが普通になっていたり、大人になってからの線引きは難しいなと思います。それでも、やってあげることは、相手の経験する機会を奪っている、という見方をすることもできます。大人同士の生活になったら、相手がやること自分がやることを意識することは、快適に過ごすため、心地よい関係を築き続けるために、大切なのではないでしょうか。
また、職場の飲み会では、以前よりは悩んだり迷う時間が減っています。「境界線」や「自分の時間」を意識すると、ぼんやりとした苦しさが薄まっていく気がします。繰り返しチャレンジし続けることがいいようです。

自分と相手をごちゃまぜにしないで区分けして、それぞれ大切に扱う。
そんな視点を持つことができる「境界線」を、日々の暮らしの中で意識してみませんか。

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