目の前の出来事に、ふと浮かぶ
「なんで私が?」
この一言から見えてくる心の動きを、シリーズで書いてきました。
最終回となる今回は、
「どうしたら心は前向きに引き受けられるようになるのか。」
について考えてみたいと思います。
「なんで私が?」という状況から、
前々回は、これまで十分頑張ってきたので、その疲れのサインかもしれないというお話をしました。
前回は、その役割や出来事を、まだ自分ごととして引き受ける気持ちになっていないというお話でした。
共通しているのは、
頭は心のことが分かっていない、ということではないでしょうか。
心の状態を振り返って理解することが、次の一歩につながると思います。
その状態になるには理由があるとみて、その理由を見つめてみます。
・子どもの学校のPTAの役員決めで、ある役職に選ばれた。
・職場で新しい仕事をするチームに選ばれたけど、後始末のような作業が多くて大変だ。
・気がつくと、部屋の中で散らかっているものを元に戻したり整頓するのは、いつも私。
PTAの役員になるということについて、
もしかしたら、みんなの前に立つことなど、自分に自信のない私にはできそうにないと思っているのかもしれません。
新しいチームでの仕事での役割では、
実は、今の仕事にも不安や心配があるのに、また新しい仕事をするように言われても、気乗りしないのかもしれません。
部屋の整頓も、
日ごろから、こんな私が母親でいいのかなと思う部分があって、埋め合わせのように片づけをしているならば、行動したとしても、満たされない感覚は残ったままです。
つまり、
今の心の状態のなかに、不足感・心地よくない感覚があると
目の前の出来事を見る瞬間に影響が出てきて、心では前向きに向き合えない心境になりうるのだということです。
心にゆとりがあり、
心のエネルギーが満たされ、
今の自分を認められている。
こんな状態ならば、目の前の出来事も、心広く受け止められると思うのです。
まぁ、いいか、やってみるか、などと軽く思えるのです。
自分の心が満たされた状態であれば、広い心で周りの出来事を捉えることができるのです。
心の状態が目の前の出来事の受け止め方に影響するのだとしたら、
大切なのは無理に気持ちを変えることではなく、
まず心そのものを整えてあげることなのかもしれません。
では、心を満たすにはどうしたらいいのでしょう。
その人ごとに、満たされていない部分が違いますし、効果的な方法が変わってきます。
誰かに合わせて疲れているならば、一人時間を持つことは回復につながります。
いつも誰かのためを思って行動している人であれば、誰かにやってもらったことを探して、その感謝を相手に伝えましょう。
感謝を伝えることで、自分の心にも温かいエネルギーが湧きだしてきます。
自分は何をしたいのか。
心に問いかけて、その願いを少しずつ叶えてあげることも、心を満たすことにつながります。
もやもやの気持ちがあるならば否定せずに受け止め、言葉に変換することも理解の助けになります。
自分が自分の一番の理解者になってあげよう、そう思ってみることが大切です。
頭が働きすぎて、考えることが止まらない時には、ゆっくり深呼吸しましょう。
ストレッチなどをして、身体に意識を向けて身体を緩めることもお勧めです。
思考から意識が離れて、ふっと楽になります。
小さな積み重ねが、少しずつ心の器を満たしてくれます。
「今日は無理しない。」
「疲れたから早く寝よう。」
「これだけできたら十分。」
そんな自分への小さな声かけも、
心のエネルギーを少しずつ取り戻してくれます。
心の器にエネルギーが戻ってくると、
今まで「なんで私が?」と思っていた出来事にも心が緩んで、
「やってみようかな。」「私がやろうか。」
そんな気持ちが、自然と湧いてきたりします。
無理に前向きになろうとする必要はありません。
まずは、自分の心がどんな状態なのかを知ること。
そして、その心に寄り添ってあげること。
それが、次の一歩につながっていくのだと思います。
「なんで私が?」
そう思うことは、悪いことではありません。
その言葉は、今のあなたの心が何を感じているのかを教えてくれる、大切なサインです。
サインを無視せずに受け止めてあげること。
それが、自分らしく前に進む力につながっていくのだと思います。
